Arawak. アラワク語/アラワク族とは?

英語面白物語-987:05-10-’15

(Amusing English Story)

Arawak.

アラワク語/アラワク族

これはアラワク族と言う南米の先住民族。かつてはカリブ海までの地域に住んでいたらしいが、コロンブス(arrived at the New Continent in 1492)を筆頭にスペイimageン人が新大陸侵入を始めると、小アンティル諸島に追いやられた。ヨーロッパ人の侵略による殺りくと、持ち込まれた病気で免疫力のないアラワク族は激減していったのである。そのため、現在は独立した個別の民族としてのアラワク族は存在しなくなった。今は、小さな集落で少数 のアラワク種族の血を引いた人たちが暮らしており、共通の婚姻関係や親族の言語により、かろうじて生き延びている状況であるらしい。植物の採取や狩猟による原始的生活を崩さず外部との交流も極少なく細々と生き延びている。純粋な一種族と位置づけるとするならば、文化人類学的には貴重な存在と言えるかもしれない。

この意味で、この言葉を紹介した。アラワク族は、ヨーロッパ人の侵攻が始まると、近隣のかつての宿敵であった「凶暴な」(fierce)カリブ海諸島の民族が弱体化したアラワク種族に対する攻略を更に拡大させ、彼らを殺りくし(butchered)、男は「食料に供して」(eating as food stuff)、女は所有物として奴隷化した(claimed as slaves)との記録が残っている(Cannibalの項参照)

女は、この暴虐から精神文化的な意味でも自分たちの身を守るために「女独自の言語を開発した」のである。他のカリブ種族にも理解できなく、同じ種族の男たちにも分からない全く新しい言語を開拓した。これは、人類史上でも大変な快挙と言うか、能力と言っても過言ではない。勿論、防衛本能が底に働いていたとしても、そのような言語と言う文化のコミュニケーションの高度な体系のレベルに、後進文明の女性集団が一致団結して組織的に言葉を改変してしまうと言うのは前代未聞である。

少し、新言語開発と言う視点だけからでは、似たものに朝鮮文字のハングル語がある。1446年に李氏朝鮮4代国王のimage世宗が「訓民正音」の名で公布したと言われているもの。しかし、アラワク語と比較しても動機も背景の事情も全く異なる。当時の朝鮮には中国の漢文だけで、独自の書き文字は存在しなかったので公式の文書には不便が極限まで到達していたことと、他国からの侵略がきっかけでコミュニケーションの体系を変えて国土や民族を守ると言う事情は全くなかったのである。しかも、ハングル語の開発は国文書を作成する必要に一番近い国王自らが指揮をとって開発したもので、女性だけが作り上げたものではない。また、ハングル語の開発に当たっては、当時の日本の漢文書き下ろしの文体を参考にしたとも言われている。

だから、とアメリカの言語学者は続けるのだが、近世の世界で女だけの言語が存在するのは古期アラワク語だけだと結論付けている。古期と言っても、民族の孤立した集落で伝統だけに長く生きているアラワク族は現在でも「女言葉」だけでコミュニケーションしている唯一の人たちに違いないと、私は個人的には感じるのである。何故か、あの前出した、「アマゾン女族」の伝説を思い出させるが、両者には全く関係がないのだろうか?アラワク族の女性を描いたイラスト(上左)が百科事典の「ウィキペディア」(Wikipedia)のアラワク族のセクションにあるが、彼女は左手に飼いならしたと想像される小型の鷹のような鳥をとまらせ、右手に長距離射程の弓矢を持っているのである。鷹は敵情を探る情報収集の手段の一部であり、弓矢は戦闘用の武器であると考えると、ひょっとするとアマゾンの伝説は、ここから出て来たのかも知れないのである。伝説と異なるのは一つだけ。彼女には乳房が両方ともあると言うこと。Amazoness triveは弓を引くために左胸の乳房を切り落としていた。一度、読者はそのイラストと解説を、webで見ることをお勧めします。

英語と言う外国語に首を突っ込むと思わぬ新発見に遭遇することもあり、前頭葉の飽くなき刺激になるようですね。因みに、カヌーと言う丸木舟の言葉はアラワク族の使っていた船で、canoeと呼ばれコロンブスが日記に書きとめていたもの。

注:上のイラストは「ウィキペディア」に載ったもの。The copy right belongs to John Gariel Stedman under the Wikipedia.

例文:It is said that the Arawak women refused to speak Carib and for generations, maintained silence in the presence of all males.

言われているのは、アラワクの女はカリブ語を話すことを拒否し、何世代もの間、男がいる所では沈黙を守った。

(拙著『アメリカでは何故そう言うのでしょう?―Why Do TheySay Like

That in America?から)

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“History is a record of what happens to have been recorded. The fewer the records the more delighted the historian.”

(Berbard Berenson Diary, 18 August 1952)

Author of this blog: M. James. Maeda of 「浦嶋ビジネス英会話インターネット道場」http//urashimamaeda.wordpress.com

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